Trip梯

□Let's trip!!
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白い、部屋。


白しかない部屋。



見渡す限りの純白。




モノと物の境界線が曖昧な、シロの部屋。



何処にあるのか、何があるのかわからない。


生物の気配は一つ。


ヒトと呼ぶべきか否かもわからない。



白一色だった部屋にモヤがたち、そのモヤの中心に瞳が浮き出た。


手も、足も、口も耳も、むしろ顔もない。

あるのは瞳だけ。


生物とも言い難いソレは、一体何なのか。
それは、ソレだけが知っている。



ソレの呟きが、波紋のように部屋に響いた。




すまないことをしてしまった……


私のちょっとした気まぐれのせいで君には辛い大変な思いをさせることになる



堪えてくれ。





白い部屋に浮かぶモヤのなかの瞳に映っているもの。

それは、水盆の水面に映っている黒髪黒目の一人の少女。


この少女は、これから運命の輪の中に迷い込むことになる。






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