Trip梯
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二歳になり、日々の努力のおかげで歩けるようになった私。よくわからないけど、周りに比べて大分成長は早い(らしい)。いや、だって早く歩けるようになりたかったから…、ねぇ。そんな私を気味悪がる事もなく、両親は私と変わらず接してくれる。
「今日もやるか?」
「やるっ」
声をかけてくれた父の元にまだ若干覚束ない足取りで向かう。最近、父は私に修行をつけてくれるようになった。手裏剣とかクナイの持ち方、投げ方。その他武器の扱いなどなど。さらに、本物の忍具は重くて今の私にはしんどいからって軽めのものを父は私にくれた。
それから1時間ほど的当てをして休憩。今日は20本中10本当たった。褒められたー。もっと頑張ろう。
「凪、そろそろ忍術もやってみるか?」
「ほんと!?やるー!」
っしゃ!早くやりたいな〜って思ってたんだ!
「お父さんって上忍なんだよね?」
「そうだよ」
「すごいんだよね!」
「うーん、まあ凄いのかな」
「すごーい!ねー、にんじゅつやってー!なんでもいいから!」
「そうだな…、よし。変化!」
印を結んだ父の体から出る煙。それが晴れるのを待って姿を確認すれば、そこには可愛い三毛猫の姿。
「うわー!ねこだ、ねこ!すごいすごい!」
「ははっ、凪もやってみるか?」
「やるっ!ボフンってやるー!」
テンション上がりすぎて凄い子供っぽく喜んでしまった。
……あ、子供だった。にしても最近子供のふりがうまくなった。うん、いいことだ。
嬉しそうにはにかみながら人の姿に戻った父から印を教えてもらう。(にしても私の父と母はほんとに美形で美人だ。しかも普段寡黙な父がはにかむと非常に可愛い。あ、べつにファザコンじゃないですよー)
印を教えてもらった後は、チャクラ講座が始まった。しかし、これは父も母も知らないことだが、私は赤ん坊の時から巻物読んでいるのでチャクラのことはわかっているし練ることもできる。だから説明は必要ないのだが、幼い私がチャクラについて熟知しているのは流石におかしいのでおとなしく説明を聞いておく。
「まあ説明はこの辺にして、とりあえずやってみよう。あの猫になれれば合格だ」
説明しおわった父が指差した先を見ると、可愛い黒猫の姿。よーし、と意気込んで印を結び、変化!と声をあげてみる。(ちょっと思ったのだが、この掛け声は必要なんだろうか?)
「………」
「にゃ、にゃー(やった、できたー)」
煙が晴れて、自分の黒い腕(まあ毛むくじゃらだが)を顔の前まで持ってくると、そこにはピンク色の肉球。やった、できた。と内心喜びつつ、幾分低くなった視線を上に持ち上げて父の様子を確認してみる。すると、目を見開いて口を開けてしまっていた。効果音をつけるならポカーンだ。
「にゃ?…にゃー(お父さん?…おーい)」
「す…っ、凄いぞ凪!完璧だ!母さん!母さーん!!」
「に゛ゃっ!?(ぅわっ!?)」
いつもは静かな父が興奮した様子を隠すことなく、猫に変化した私を抱き上げて母の元へ走った。父に抱えられた猫(私)と珍しくテンションの高い父を見て、母は一瞬怪訝な顔をしたが、その猫が変化した私だと説明を受けると父と同様にテンションが上がり、私(猫)を抱えたまま二人してはしゃいだ。しばらくしてもはしゃぎっぱなしの二人は、なんだか才能のあるらしい私(まだ猫)にいろいろ教えてもみようぜっていう話になったらしく、どんどん話は進んでいく。
「私、医療忍術教えてみようかしら」
「にゃっ?にゃー!(ホントにっ?やりたーい!)」
「じゃあ俺は色々術の修行をつけようかな。何がいいだろう」
「にゃ、にゃ!にゃー!(じゃあ、影分身!瞬身の術!)」
「何言ってるかわからないぞ。変化ときな」
「にゃ(そっか)」
ボフンという音とともに煙をたてて元の姿に戻る。母に医療忍術を、父に術の修行をつけてもらう約束を改めてした。父は風遁と水遁が使えるらしい。ナイスだ父上!使いたいものばっかじゃないか!
……あ、でも自分にあってるのかな?形質変化とかなんとか…そういうのがあった気がしなくもないんだが。……ま、いっか。なんとかなるな、うん。
「じゃあこれからはチャクラコントロールの修行しないとね」
「そうだな…じゃあアレか。よし、凪。行こうか」
「ん?」
どこに?と問い掛ける間もなくあれやこれやと準備をして、父に連れられやって来たのは里の外れの演習場。
「何するの?」
「木登り」
「へ、」
ごっつ聞いたことあるんすけど。ぇ、まじすか。
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