Trip梯
□07
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無事にアカデミーに入り、クラスの皆とも慣れてきた頃。久しぶりにイタチさんと会いました。
「久しぶりだな、凪」
「お久しぶりです。任務帰りですか?」
「……あぁ、」
任務帰りかと聞いた時、瞳が揺れたのを見逃さなかった私は、背伸びしてイタチさんの頬に触れた。
そうか、もうすぐあの事件が起こってしまうのか。
「…そんな悲しそうな顔して、どうしたんですか?」
「……そんな顔をしているか」
「イタチさんはポーカーフェイス得意ですからわかりにくいです」
にこりと微笑み、苦笑して少し俯いたイタチさんの頭を撫でる。
「詳しくは聞きませんが、溜め込むとハゲますよ。私そんなイタチさん見たくないです」
「はは、それは困るな」
ようやくいつも通りに近いイタチさんに戻ったので、撫でていた手を自分の方に戻そうとした。
「……えっと?」
「甘味屋にいかないか」
疑問符ついてないし、引っ込めようとした手握られてるし、もう決定事項じゃないですか!
半ば引きずられるようにして、イタチさんと甘味屋へ向かった。道中、手はずっとイタチさんの右手におさまったままだった。解せぬ。
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