Trip梯
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第7班の一員となり任務をこなすようになってしばらくたった日、ついにナルトの我慢がきれた。
この日は、火の国大名の妻、マダムしじみの依頼である飼い猫トラの捕獲任務を成功させて火影様にご報告に行っていた。
報告を終え、次の任務について火影様の話を聞いているときに、ついにナルトがもっと高ランクの任務を寄越せと叫びだした。まあ確かに、雑用(っていったら悪いんだけど)しかやってないしナルトとサスケならそろそろ飽きて来る頃だろうなとは思ってたけど。
…と、いうか。モロ原作ってカンジでちょっと感動。最近書きはじめたストーリーメモ通りで安心してる。
ストーリーメモっていうのは、いろんな世界をまわらないといけないなら、その世界の原作覚えとかなきゃ困るよねってことで書きはじめた所謂原作を書き留めたメモ。
自分が集めてた漫画なら事細かに原作いえるから覚えてる間に書いとかなきゃね。
と、言うことで。
「出発――っ!!」
行っちゃいます波の国。
「ねえ……、カカシ先生…その国にも忍者っているの?」
里を出て少し歩いたとき、控えめにサクラがカカシ先生に尋ねた。私たちが今から行くのは波の国。隣にいる、橋を造っているタズナさんを国まで護衛するCランク任務についたから。
皆気になっているようで二人の会話に耳をすませる。
どうやら波の国に忍者はいなくて、今回の任務で戦闘に発展することはないらしい。
…こりゃ原作知ってなくてもなんかあるって気付くな。タズナさん顔引き攣ってる。
会話はそこで終了し、周りには沈黙がながれた。少し歩くと道の端に水溜まりがあるのが見えた。
おぉ、これがそうか。内心感動するもポーカーフェイスのおかげで表にはでない。
チラリとサスケの方を見るとバッチリ目があった。付き合いが長いおかげで言いたいことが分かった私は、小さく頷いた。
その瞬間、カカシ先生の体に鎖のようなものが巻き付いた。
「なに!?」
「え!!?」
「な…なんだァ?」
「一匹目」
誰も何もできず、カカシ先生の体は細切れになってしまった。
カカシ先生を殺した二人はその勢いのままナルトの方へと駆けていく。
「二匹目」
鎖を操りナルトに巻き付けようとする相手とナルトの間に駆け込み、動くことができないナルトの体を抱えて飛びのく。と同時にサスケが上空に飛び上がり相手の鎖の動きを手裏剣とクナイでふさぎ、相手の動きを封じた。
動けない相手をサスケが蹴り飛ばすが、相手は手から鎖を外すと一人はタズナさん、もう一人はナルトと私の方へ攻撃をしかけた。
私はナルトの前に立って姿勢を低くし攻撃に備える。チラリとこちらを一瞥したサスケに軽く頷くとサスケはタズナさんの方へと走った。
「おじさん下がってェ!!」
サクラがタズナさんの前に立って叫んだのと同時に、私達の方に向かっていた敵がふっと消えた。
急いで気配を読むと私の後ろにいるナルトを狙っているのが分かった。
「ナルト!!」
「ぅわあっ!」
振り向いた先では、敵によって手の甲を傷つけられたナルトの姿があった。もう一撃ナルトに食らわそうとする敵とナルトの間に素早く滑り込み、敵の顎をけりあげる。
「グ……っ」
敵の体が少し浮いたかと思えば敵の姿が消えた。 またナルトを狙うつもりなのかと気配を読むが、見知った気配が敵を捕らえているのがわかりホッと力を抜く。
「ナルト…すぐに助けてやらなくて悪かったな、ケガさしちまった。……お前がここまで動けないとは思ってなかったからな」
殺されたはずのカカシ先生が敵を両脇に抱えて立っていた。カカシ先生の姿を見てサクラには安堵が、サスケには呆れ、ナルトには驚愕の表情が浮かんでいる。
「とりあえずサスケ、凪よくやった。サクラもな」
くしゃりとカカシ先生に頭を撫でられる。撫でられることが気持ち良くて目を細めるとカカシ先生が微笑んだ気配がした。
「よォ、ケガはねぇかよ。ビビり君」
「!!」
「ナルト!ケンカはあとだ。こいつらの爪には毒が塗ってある。お前は早く毒抜きする必要がある。傷口を開いて毒血をぬかなくちゃならない。あまり動くな、毒がまわる」
タズナさんを呼んで何か話しているカカシ先生を一瞥し、ナルトを挑発するサスケに近付いて脇を小突く。
「こーら、サスケ」
「ちっ…」
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