Trip梯
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軽く舌打ちをしてそっぽを向くサスケを尻目にナルトに近付く。後ろではカカシ先生がタズナさんに任務のランクについていろいろ聞いているが、そんなことより今はナルトだ。
「ナルト、左手見せて」
「え…」
ナルトの左手をひょいっと掬い、じっと見つめる。
うん、やっぱ九尾の力は凄いな。あんなに思いっきり刺したのにもう塞がりかけてる。
「ごめんね、ケガさせちゃった」
そっと手を離してナルトに苦笑をおくる。いくら塞がりかけてるとはいえ、守りきれなかったのは事実。
修行が足りないなぁ…。
「(凪ちゃん…、オレってば何にもできてねぇ……!)」
サクラが高ランク任務にあたる今回の件から手を引いて里に帰ることを提案すると、カカシ先生は顎に手をおいて少し悩んだ後言った。
「んー、こりゃ荷が重いな!ナルトの治療ついでに里に戻るか」
「!」
チラリとナルトをみると、悔しさからか肩が震えているのが分かった。すると、ナルトはクナイを取りだし、自分の左手の甲に思い切り刺した。ボトボトと音をたてて血が流れる。
「ナルト何やってんのよ!アンタ!!」
「はぁ……」
皆が驚愕しているなか、私は頭を抱えてため息をついた。
「オレが、このクナイで……オッサンは守る。任務続行だ!」
クナイを左手に突き刺し、ニヤリとナルトが笑った。
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