大空と最高僧

□第三話 種族なんて関係ない
1ページ/6ページ

三蔵さんとバトルをして、旅の同行を認めてもらってから数日。
というか、二日ほど経った。
この二日間は濃いというか、嫌なというか……
なかなか興味深い体験をした。
マフィア関係やらで、様々な恐ろしいことを体験したが、そんな中でも体験したことないようなものだ。
…いや、できても困るんだけれど。
まあ、そういうわけで、とても濃密な野宿生活を送っている。
だが、その野宿生活も今日まで。
なぜかと言えば、明日の午後には街に着くという話だからだ。
あくまでも予定だが、たぶんもう一日野宿というのは、余程のことがない限りありえないだろう。
今日さえのりこえてしまえば、体がミシミシいったり、不快な思いをせずにすむのだ。
こればかりは嬉しい。
…ただ、街についてしまえば、この人たちとはお別れだ。
牛魔王蘇生実験を止めるため、一刻も早く天竺国に行かなければいけない彼らは、俺に構っている暇は残念ながら一秒たりともない。
残念だけど、そうなんだ。
わかってる。
けれど、悟空さんとはとても親しくなったし、八戒さんにはとても親切にしてもらった。
悟浄さんには元気づけてもらったい、三蔵は……俺に"覚悟"がないと言ってくれた。
三蔵さんが言ってくれたその言葉のおかげで、俺は目的を見いだせたのま。
みんなお世話になって、なんだか離れがたいほどに楽しいけれど、お別れだ。
せめて、残り少ないこの旅の時間を楽しもうと、俺は笑った。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ