大空と最高僧

□第三話 種族なんて関係ない
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[Gokuu side]

出会いは、ちょっとだけ、衝撃的だった。
ツナが妖怪に襲われてるとこを俺たちが助けて……
放っておけと三蔵は言ったけど、放っておけるわけもなくて。
とりあえずジープに乗せた。
ツナの目が覚めて話を聞いてみれば、気付いたら森にいたっていって。
三蔵は文句言いたそうだったけど、飲み込んでくれた。
なんだかんだ言ってたりするけど、三蔵は優しい。
そうして仲間に加わって、でも妖怪に会って、三蔵が色々言って……
この何日かでツナと一緒に戦ったり、話したりした。
あんな技使うんだから、すげぇ奴なんだろうなって思ったら、案外普通でびっくりしたのを覚えてる。
でも、すっげぇ良い奴だった。
優しくって、おもしろくって。
いつの間にか仲良くなってた。
俺は似た年代の子とあんま仲良くなったことねぇから、ちょっと嬉しい。
野宿中の飯って、確かに不味くはねぇんだけど(八戒が作ったもんだし。)なんか物足りなくて。
でも、綱吉が来てからそんなことなくなった。
なんていうか、ツナの傍は居心地いいんだ。
あったかくて…
悟浄とか八戒も思ってるみたいで、結構綱吉と話してる。
それにちょっとだけ嫉妬すんのは秘密だ。
ただ、ツナとの別れは近い。
元々、街に着いたらお別れって話はしてたし、俺たちもあんま寄り道してるわけにもいかない。
それが寂しくて、ツナとよく話してるけど、それだけじゃ足りない。
もっと話して、もっと一緒にいたいって思う。
ツナがもうこんな俺の中で大きくなってる。
どうしたらいいんだろ。
あと、心配……っていうか、怖いことがある。
ツナに、俺が、俺たちが妖怪だって知れること。
ツナがああ言ったのは、本心なんだろうけど…
それでも、怖い。

「悟空さん、どうかしたんですか?」
「ん?なんでもねぇ!」

だから、なんも言えなくて、でも誤魔化すのは嫌で。
自分の中でかっとうしてる。

そんなんだったから、後悔すんだ。
自分で言ってたらって。
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