空色の姫

□落月屋梁
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「写輪眼のカカシと見受ける
…悪いが、しじいを渡してもらおうか」

桃地再不斬の言った言葉のシャリンガン?っていうのは何だろう?
首を傾げていると聞こえてきた先生の声。

「卍の陣だ、タズナさんを守れ…
お前達は戦いに加わるな、それがここでのチームワークだ」

張り詰める空気、それでも吹く風に木の葉が舞う。

「再不斬、まずは…

オレと戦え」

上げられた額宛ての下から見えたのは勾玉模様が浮かび上がって赤く光る目だった。
不思議な模様に肩が跳ねた。

「ほー、噂に聞く写輪眼を早速見れるとは…光栄だね」

再不斬は言うよりも関心した様子は無かった。
そこで響くナルトの声。

「さっきからシャリンガンシャリンガンって…
何だそれ?」

それは私も思ってた。
おずおずと先生の方を伺うと、サスケが声を上げたので、そちらを見た。

「写輪眼(しゃりんがん)。
いわゆる瞳術の使い手はすべての幻・体・忍術を瞬時に見通し、はねかえしてしまう眼力を持つという…
写輪眼とは、その瞳術使いが特有に備えもつ瞳の種類の一つ…」

代わりにサスケが懇切丁寧に説明してくれた。

「しかし写輪眼の持つ能力はそれだけじゃない」

「え?」

「クク…御名答」

僅かに笑いを含んだ再不斬に視線を移す。

「ただそれだけじゃない。それ以上に怖いのは、その目で相手の技を見極めコピーしてしまうことだ。
オレ様が霧隠れの暗殺部隊にいた頃、携帯していた手配帳(ビンゴ・ブック)にお前の情報が載ってたぜ。
それにはこうも記されていた。
千以上の術をコピーした男…コピー忍者のカカシ」

凄い、単純にそう思った。
でも、サスケは何故かありえないというように先生を見ていた。

「さてと…お話はこれぐらいにしとこーぜ。オレはそこのじじいをさっさと殺んなくちゃならねェ」

殺る、その単語に私達はすぐさまタズナさんを囲い卍の陣をつくった。

木に刺さっていた大刀が抜けて、再不斬は湖の上に現れた。
左手を挙げ、右手は胸の前で構えている。
一族柄だろうか、水にかなりのチャクラが練り込まれているのが感覚的に分かった。

「”忍法…霧隠れの術”」

ゆっくりと再不斬は霧の中に消えた。
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