白の双子

□第1Q
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桜舞う季節。
それは新しい生活の始まりを示す季節。

私立誠凛高校、ここも例外ではなく目に付く人々は全て新生活に心躍らせている。

「ラグビー興味ない!?」

「将棋とかやったことある?」

「日本人なら野球でしょー」

「水泳!!チョーキモチイイ!」

新生活というものは特に新しいものを始めようという気持ちを高ぶらせる。
それに追い討ちをかけるように部活動の勧誘も盛り上がる。
今日入学してきた新入生にそれぞれが自分たちの部活の魅力を力説している。
力が入りすぎている為だろうか、新入生達は先程からほとんど前へ進めていない。
前方では二人の少年がこの状況に遂には、ラッセル車持って来いと叫んでいた。

「本当に全然進めませんね」

黒髪ボブカットの少女は隣にいる片割れ─こちらも黒髪ボブカットの少女だに話しかける。
いつもは穏やかな彼女もさすがにこの状況には少し呆れている。

「うん、はぐれないようにしないと」

彼女達は双子だ。
双子にも主に一卵性双生児と二卵性双生児の二つに分けられる。
彼女達は前者の一卵性双生児である為容姿はとても似ている。
パッと見ただけでは分からない、ある程度親しくならないと見分けるのは難しい。

彼女達はこんな人混みの中でも真っ直ぐとある部活のコーナーを目指していた。

それは…

男子バスケットボール部。
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