白の双子
□第2Q
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火神は新手の喧嘩の手口で私達を近くのストリートに連れて来た。
「オマエ…一体何を隠してる?」
開口一番、火神はそう言った。
私達は意味が分からず顔を見合わせた。
「オレは中学二年までアメリカにいた」
へー、火神ってアメリカにいたんだ。
「コッチ戻ってきてガクゼンとしたよ、レベル低すぎて」
本場と比べて貰っちゃあ困るよ。
「オレが求めてんのはお遊びのバスケじゃねー、もっと全力で血が沸騰するような勝負がしてーんだ」
うん、やるからには真剣にやりたいよね。
「…けどさっきいいこと聞いたぜ、同学年に「キセキの世代」って強ぇ奴らがいるらしーな、オマエはそのチームにいたんだろ?」
火神はどこからか取り出したボールをテツに寄越した。
「オレもある程度は相手の強さはわかる、ヤル奴ってのは独特の匂いがすんだよ」
匂いって、犬か。
私は犬という単語にある黄色い大型犬を思い浮かべて‥
ソッコー消した。
「オマエは何も匂わねー、強さが無臭なんだ」
無臭、か。
良い線いってるじゃん。
「確かめさせてくれよ、オマエが…「キセキの世代」ってのがどんだけのもんか」
テツは少し考えて。
「…奇遇ですね、ボクもキミとやりたいと思ってたんです
1対1」