風詠み

□好きと嫌いとキライ
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二人が戦っている、もとい修行の間は暇なのでアタシは屋上からの景色を楽しむことにした。
二人だけ楽しんでズルい。
ふてくされたアタシはゆっくりと目を閉じながら、耳を澄ます。
商店街を歩く人、井戸端会議をする主婦、塀の上を散歩する猫。
ありとあらゆる情景がアタシの頭に流れ込む。

耳で風の運んでくる情報を得るのがアタシの能力、”風詠み”。
風が吹いている所なら”風詠み”は使うことが出来る。
だから、アタシの目だけじゃ見えない背後や遠くなどが見える。
風が吹いている所が主なので、室内では使えない訳では無いが、得られる情報はそれに比べると少なくなる。

 * * *

しばらくそうやっていると遠く、南西に約一キロの辺りからの爆発音が聞こえた。
ここで待っているのも暇なのでとりあえず行ってみることにした。
…ツナが着る用の服を持って。
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