空色の姫
□前途多難
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雀の鳴く声で目が覚める。
目覚まし時計が鳴る前に起きてしまった。
理由は分かっている。
今日が私にとって重要な日だからだ。
一週間ほど前にアカデミーの卒業試験があった。
それに私は無事合格し、下忍になることができた。
今日はその説明会があるから私はいつもより早く起きてしまったのだ。
顔を洗い、今日の朝ご飯を作り食べる。
身支度をし、説明会へ向かう。
もちろん卒業試験に合格した時にもらった木の葉の里の忍の証である額宛てを額にきちんとつけて。
* * *
説明会へ着くと見知った顔の何人かから声をかけられる。
もちろん私もそれに返す。
返しながら周りを見渡すと見慣れた幼なじみの後ろ姿を見つける。
その人は真ん中の列の一番後ろの席に座っていた。
「おはよう、シカマル」
そう声をかけると、気付いたのか
「よう、ソラ」
と返事をしてくれた。
その後部屋のドアが開いた音が聞こえて私と彼は振り返る。
入って来たのはピンク色の長い髪で緑色の瞳を持った、赤いアオザイ風の服を着た娘─サクラと、綺麗な金色の長い髪をポニーテールにした青色の瞳の娘─いのの二人だった。
私はその二人が一緒に来たのを珍しく思いながらも声をかける。
「おはよう、サクラ、いの」
二人は言い争いをしていたのか少し息が乱れている。
彼女達は言い争いを止めて挨拶をしてくれた。
だが、またすぐに喧嘩を始める。
私は少し呆れながら小さく溜め息を付いた。
二人共もっと仲良くしたらいいのに。
前を向くと私の視界には金色が映る。
その目を引く金色はナルトだった。
「あっ、ナルト」
私は思わず声を出した。
その声に反応してナルトが振り返った。
「ナルトも合格したんだね。おめでとう」
すると嬉しそうに返事をした。
「ちょっとそこの席通してくれる!」
サクラの声だ。
もういのとの喧嘩は終わったのだろうか?
その声にナルトは少し頬を赤く染めている。
そういえばナルトはサクラのことが好きだった。
「ナルト どけ! 私はアンタの向こう側に座りたいのよ!」
サクラのその台詞にナルトは彼女の言う向こう側を見る。
その先には机に両肘を突いているサスケが居た。
「おはよう、サスケ」
と、私は少し遅くなった挨拶をする。
彼は私の方をチラリと見ると、ああと素っ気ない返事。
もう少し反応してくれてもいいのに、と言おうとしたがいつものことなので止めた。
ナルトはというとさっきからずっとサスケを見ている。
それに気付いたサスケと喧嘩が始まる。
が、それはサクラのサスケに対する台詞によって遮られた。