空色の姫

□前途多難
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私はシカマルの隣つまり一番後ろの三人掛けの机の真ん中に座った。
右隣にはいのが座った。
あ、サスケの隣には座れなかったんだ。
前には私から見て左からサスケ、サクラ、ナルトの順に座っている。
ナルトはサクラがサスケばかり見ているのが気に食わないのか彼にガンをつけ始めた。
しかも二人の鼻がくっつくくらいの超至近距離で。
そこで事件は起きた。
ナルトの前の子の肘がナルトに当たってしまったのだ。
その反動で二人の顔がいや正しくは唇がくっついてしまった、いわゆるキスだ。
周りは一瞬唖然とした。
私も多分そうだろう。

「てめ…ナルト! 殺すぞ!」

「ぐぉおォオ 口が腐るゥウ〜〜〜!!!」

「おい、ソラ」

しばらく固まっていた私はシカマルの声で我に返った。

「お、お、男同士のキスだ」

私がそう言うとシカマルは複雑な顔をしていた。
ナルトはサスケのファンの女の子に殴られていた。

 * * *

「今日から君達はめでたく一人前の忍者になったわけだが…
しかし まだまだ新米の下忍
本当に大変なのはこれからだ!」

教室に入って来たイルカ先生が説明を始める。
ナルトは殴られてボロボロになっていた。
イルカ先生は次々と説明をしていく。
三人一組(スリーマンセル)の班を作るらしい。
シカマル達と同じ班がいいな。

「班は力のバランスが均等になるようこっちで決めた」

イルカ先生のその台詞に皆は大ブーイング。
だが先生はそれを無視して班を発表していく。

「…じゃ 次7班 ここは人数の関係で四人一組(フォーマンセル)になる。
春野サクラ…うずまきナルト!」

それにサクラが落ち込み、ナルトが立ち上がり万歳をする。

「それと…うちはサスケ」

今度はサクラが立ち上がり万歳し、ナルトが落ち込んだ。
なんだかオモチャみたいで面白い。

「あと、天空ソラ!」

ナルトはこの班に文句があるらしくイルカ先生に抗議する。

「イルカ先生!!
よりによって優秀なこのオレが!
何でコイツと同じ班なんだってばよ!!」

イルカ先生はナルトに言い聞かせる様に

「…サスケは卒業生28名中一番の成績で卒業
ナルト…お前はドベ!
いいか!班の力を均等にするとしぜーんとこうなんだよ」

「フン…
せいぜいオレの足引っぱってくれるなよ
ドベ!」

サスケがさっきあった事のやり返しの様に言う。
ナルトは勿論それに反応し喧嘩が始まるが、サクラがナルトをポカポカと殴って止めていた。
隣のシカマルから

「お前の班はこれから大変だな」

と呆れながらいわれた。
ああこの先が不安だよ。
私は溜め息をついた。


ーーー

前途多難→これから先、多くの困難があると予想されること。

*
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