空色の姫

□落月屋梁
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「うわぁ、あ、あ、どどどうしよううぅ」

ナルトの手から大量に出血しているのを見て、ソラはあたふたと辺りをウロウロとしている。

「ちょっと…」

「うわあ、あ、あ、」

「落ち着いて…」

「ど、どうしよ…」

バシッ

「落ち着けッ!!」

「痛ッ」

せわしないソラにサクラがチョップしてやっとソラはその場で止まった。

「何でソラが慌ててるのよ」

サクラが溜め息と共に吐き出した言葉にソラは頭を押さえながらちょっとの間考えてやがて。

「ナルトが、皆が傷付くのはイヤだから」

もう誰かが傷付くのは見たくない。
その為にも強くなりたいの。

 * * *

目の前には濃霧が立ち込め、1メートル先でさえはっきりと見ることは出来ない。

「真っ白だぁ」

舟に乗っているというより大雪原の中に立っていると錯覚してしまいそうだ。

しばらく進んだ所で前方に陰が現れ、近付いていけばそれは大きな橋だった。
途中で途切れているのでどうやら建設中らしいが、それでも彼らを圧倒するには十分だった。

「うひょう!でけェーーー!!」

ナルトのように大きな声は出さなかったがソラも感心していた。

「コ…コラ!静かにしてくれ!
この霧に隠れて船出してんだ、エンジン切って手こぎでな。
ガトーに見つかったら大変なことになる」

ナルトはその大きな口を慌てて押さえた。
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