海賊

□その男、独占
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トントントン、トントントン


扉を叩く音に高緒の意識がゆっくりと覚醒した。


『…だぁれ?』

「え、高緒?またキャプテンの部屋に来てたの??」

扉の外から聞こえるのはベポの声だ。
昨夜の記憶を辿って眠たい目を擦りながら視線を自分の腕の中へ移す。


「……」

そこには眠った時と同じ体勢、つまり自分に抱きすくめられたまま静かに寝息を立てるローの姿があった。
高緒はくすりと微笑むとローの短髪に指を通してゆったりと梳く。

「ねえ高緒〜、キャプテン起きてる?入ってもいー?」

再度聞こえたベポの声に、高緒は体勢を変えないまま『うん』と返事をした。

ガチャリと扉を開け入ってきたベポは目の前の光景に立ち止まる。

「? なんで高緒服着てないの?キャプテンは?」

首を傾げるベポに、布団を少しだけめくって寝息を立てるローを見せた。

「あ!…キャプテン、すごくぐっすり眠ってるね!」

ローがまだ寝てると知るや否や急に小声になる目の前の白熊に、高緒は優しく微笑んで耳の下を撫でてやった。


『…もう少し寝かせていてあげたいからみんなにもそう伝えて?』

「アイアイ!」

高緒に撫でられて上機嫌になったベポは素直に言うことを聞いてなるべく音を立てないように部屋を出て行った。


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