暴彼
□弱虫バニー.4
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「…っぷ。あはははなにそれ可愛い!」
「おはようございます。」
「いや、可愛いっつーか…マヌケだろ」
三様の反応を見せる三つ子に、ミウの緊張が少しだけ解れる。
『え…と、何かご用でした?』
「用って程でもねえけど。俺たち暇でよ?」
「そーそー!だからバニーちゃんと遊ぼうと思って♡」
『…あそび?』
聞き返したミウに、三人はニヤリと笑った。
「楽しいコト、シようぜ…?」
『たのしいこと…』
「アヤトは後回しです。ただでさえユイさんを独り占めしてるんですから」
「あ?全部俺様が一番に決まってんだろ」
何やらぎゃあぎゃあと喧嘩を始めた二人に、ミウはきょとんとする。
(遊ぼうとして、喧嘩始めちゃった…)
「もー…。バニーちゃん、あの二人はほっといてぇ、僕と気持ちいコト、シよ♡」
『気持ちいい…こと?』
さっきからイマイチ思った反応を返さないミウに、三人は違和感を感じた。
「うーん、どうにも反応が薄いよねぇ」
「おい、カマトトぶってんじゃねえよ」
何故だか不穏な空気になりミウは怯えて眉を下げ、肩をすぼめて尋ねた。
『あ、あの、"かまとと"って…なんですか…?』
「「「………」」」
"ぶっている"ではなく、本来の意味で「蒲鉾はトトからできているの?」と聞いてきそうな勢いの少女に、三つ子は顔を見合わせた。
「……もしかして、本当に何も知らない感じかなぁ?」
「あ?この歳になってか?有り得ねえだろ」
「ミウさんて、聖女か何かのつもりなの?」
ずい、と覗き込み不思議そうな顔をするカナトに、ミウは同じような顔で返す。
『わたしが聖女なんて、聖女に失礼ですよ…?』
終始理解していない様子のミウに、ライトの口角が上がった。
「んふ。今時珍しいけど、なあんにも知らない純粋な女の子なんだね〜バニーちゃん♡」
にんまりと笑ったライトはそのまま唇をミウの耳に寄せ囁いた。
「大丈夫だよ…僕が優しくあまぁく…教えてあげる。…その身体にね?」
『っ、』
ぞくり…と背中が粟立ち、ミウは得体の知れないその感覚に不安を覚える。
「だから最初は俺だっつってんだろ!」
「だめだよアヤトくん。ハジメテだってわかったんだからぁ…アヤトくんにヤらせたらバニーちゃん壊れちゃう」
(こ、壊れる!?)
「そうですよ。アヤトは下がってて」
「ざけんな!!」
さらに言い争い始めた三つ子に、ミウは怖くて震えるしかなかった。
(ぉ、大声で喧嘩してるの、こわい…っ)
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