My Dear My Twin Brother!
□Presentiment of a romance?(恋の予感?)
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「丸井さん、これ、丸井くんに渡してもらえませんか」
放課後、帰ろうと鞄に手をかけた瞬間だった。顔を赤くした女の子に、手紙を渡される。可愛らしい便せんに、女の子らしい丁寧な字で"丸井くんへ"と書かれていた。
「その、あのね…」
私を通してブン太に手紙を渡そうとする女の子は少なくない。渡してあげたい気持ちは山々なんだけど、ブン太は私を通して手紙を貰うことを酷く嫌う。そうやって手紙を渡した女の子に、悪い印象しか持たない。
ブン太の恋路を邪魔する気はないし、もし好きな女の子が出来たなら全力で応援する。
どうしよう…。
「ブン太は、直接以外は受け取らないよ」
「…!」
不意に聞こえた声に振り向くと、精市くんがいた。精市くんはにっこり笑ってその女の子に声を掛けた。
「ゆ、幸村くん…!」
赤くなっちゃうよね…。いくらブン太が好きでも精市くんみたいな綺麗な人に微笑みかけられたら。
「そうだろ?愛美」