短編
□言葉が欲しい
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「ねえ蓮二ー」
「お前がくだらない要求をしてくる確率、89%」
「酷っ」
「…で、何だ」
目の前で本を読んでいるのは、立海テニス部のレギュラーで私の彼氏である柳蓮二。クールビューティなデータマン。
「好きって言って」
「断る」
「ちょ、さっきから酷っ」
「そういうのは頼まれて言うものではないだろう」
「ちくしょう格好いいな」
もちろん期待はしてはいなかったけど、ここまでバッサリ切られるとは…。
私がむくれていると、蓮二はため息を一つついて言った。
「どうして急にそんなことを言うんだ」