Sweet Kiss
□いつものキス
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私の名前は桜庭愛美、美術部に所属する一般的な二年生の女子です。
ですが、一つだけ他の子と違うところがあります。それは…。
「ゆ、幸村先輩、ここ二年の教室です」
「うん、知ってるよ」
立海の王子様と名高い幸村精市先輩の彼女だと言うこと。
元は私から先輩に惚れたんだけど、いろいろあって今の関係に落ち着いています。落ち着いていると言っても…。
「と、とりあえず離してもらえませんか…?」
「駄目」
先輩の行動一つ一つが本当に甘くて、私の心臓が持たないような毎日が続いています。
「チャ、チャイム鳴っちゃいますよ」
「…仕方ないな。また来るよ」
「…っ!」
「またね、愛美」
先輩は私のおでこにキスを一つ落として、三年生の教室へ戻って行った。
本当に、心臓持たないよ…。