銀魂
□またあいましょう
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土方視点
あの日から俺は桜が咲いたらあの木にいってる
酒を持って、そこで少しだけ呑んで帰る
お猪口を二つ持って、一つは隣に置く
…名前の分だ
今年も俺は桜の木の下に座り、お猪口を一つ隣に置く
杯を少し上に掲げると、桜の花びらが入ってきた
何かがこみ上げて、泣きそうになった
俺が泣くなんざ、ガラじゃねぇ
着流しで浮かんだ涙を拭ったとき
「…泣いているのですか?」
クスリと笑う、若い女がいた
それは
「…名前?」
名前にそっくりだった
女は呟いた
「だから言ったでしょう?」
「またあいましょう、と」
俺はたまらなくなり、強く彼女を抱きしめた
強く、強く
名前が此処にいる、それを確かめるように
また会えましたね
桜の木の下で、あなたと
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