銀魂

□またあいましょう
1ページ/2ページ






土方視点


あの日から俺は桜が咲いたらあの木にいってる

酒を持って、そこで少しだけ呑んで帰る
お猪口を二つ持って、一つは隣に置く
…名前の分だ

今年も俺は桜の木の下に座り、お猪口を一つ隣に置く


杯を少し上に掲げると、桜の花びらが入ってきた
何かがこみ上げて、泣きそうになった
俺が泣くなんざ、ガラじゃねぇ


着流しで浮かんだ涙を拭ったとき


「…泣いているのですか?」

クスリと笑う、若い女がいた
それは

「…名前?」

名前にそっくりだった


女は呟いた


「だから言ったでしょう?」

「またあいましょう、と」


俺はたまらなくなり、強く彼女を抱きしめた
強く、強く
名前が此処にいる、それを確かめるように





また会えましたね
桜の木の下で、あなたと




.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ