【電波】

□路地裏の。
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夜の商店街。
灯りもなく人気もなく、シャッターは降りている。
そんな中を一人の女があるいてた。
長く伸びた髪を後ろでひとつに結んでいる。
髪と同じ黒いスーツは彼女を余計華奢に見せる。
歩き方はぎこちなく、肩にかけた鞄をしっかり握っている。
辺りを見回し、立ち止まり、また歩き出す。何度彼女は繰り返しただろうか。
商店街の終わりに差し掛かった頃、一人の男が声を掛けてきた。
「貴方がマキさんですね。」
愛想のいい紳士は一歩、真紀にちかづいた。
「あ、あの…」
「僕です。『ナルミ』です。」
『ナルミ』と名乗った男は真紀を一瞥し、にやりとした。
「命令は、守ってくれたみたいですね。」
真紀は体を震わせながら
「はい…」
とうつむいて答えた。
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