NOVEL(etc)

□02 Columbine
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「あんた達になんかあげない」



ネーナはそう言って目の前の彼らを、CBのメンバー達を睨みつけた
決して声を張り上げたわけでは無かったのに
ネーナの声はひどくハッキリと響いた



「アンタ等なんかに返してなんかやらない」



忌々しげに、吐き捨てるようにそう口にして
彼女はわらった

黒髪と紫の髪のパイロットや桃色の髪の女が口を開こうとしたのを見透かして
ネーナは続けた
彼女は彼らの言葉を聞きたくはなかったし、聞くつもりもなかった



「もういらないんでしょ?
だってあの人の居場所だったところに新しい奴が居るじゃない
同じ顔で、同じ声の奴が居るじゃない」



彼女は彼の嘗ての仲間を見回して、一人の男に視線を向けた
彼と同じ容姿の、彼の弟
彼の戦う理由だったらしい、彼にたった一人残った本当の家族
でもいくら似ていても、この男は彼じゃない

それに、彼はもう目の前の嘗ての仲間のことも
弟だったこの男の事も、覚えていない

そう、覚えていないのだ



「もういいんでしょ?
死んだと思ってたんでしょ?
諦めて、捨てて、次を用意したんでしょ?」



反論を許さないように彼女は彼らを見据えて言い切った

その目は、愚かなものを見るように、憎い敵を見るように
鋭く、侮蔑と嫉妬と優越感が混じってひどく濁っていた



「でもね、ちょっとは感謝してやってんのよ?」



それでも彼女は無邪気に笑った



「あんた達が捨てたから、ニールにぃは私の隣に居てくれるんだもの」



クスクスと、ただ、本当に楽しそうにわらった




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Columbine=苧環
必ず手に入れる






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