NOVEL(etc)
□ハロウィンで会いましょう 02
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『Trick or treat!』
小さな子供が私に向かってそう言った
「すまないが菓子は持っていない」
「じゃあ悪戯だね!」
大きなカボチャを被った子供は悪戯っぽく笑った
目を瞑って手を出して、と言われ
子供の言うとおりに両手を彼に差し出した
バラバラ、と何かを手の上に置かれたのに目を開くと
手のひらには色とりどりのキャンディが溢れんばかりに乗せられていた
「・・・・キャンディ?」
キャンディを見つめどうしたら良いか戸惑う私の耳に
子供は楽しそうに笑っている声が聞こえた
「俺はもうお前を甘やかしてやれないから」
その言葉にハッとして顔を上げれば
もう何処にもその子供は居なかった
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ティエリア・アーデ
心の寄りどころ
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