NOVEL(etc)

□URUE 03
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綺麗な綺麗な緑色、彼の左目の深いブルーグリーン
それが俺の一番好きな色



「俺もニールと一緒の色が良かったのに」



目の前の彼の頬に手を伸ばして、彼の顔をこちらに向けた
俺の両目は彼とは違う金色をしていて
目の色以外の外見は全く一緒なのに、そこだけが違う
それがなんだか寂しかった



「俺はエイルの色、好きだぜ?」



エイルの不満そうな声にニールはそう苦笑した

そっくりな容姿、声、最初は驚いたけど、ニールやリボンズが色々教えてくれた
俺達がイノベイターって存在で、俺はニールと対の存在で
何故か俺だけずっと眠りつづけてて、ニールは俺を待ってくれてたって
俺の名前も、ニールがつけてくれた物だって



「でも、ニールと一緒がよかったんだ」



そう言うとニールは一瞬だけ悲しそうな顔をした

ニールは目の色を気にしてた
彼の効き目だった右目は、失明して移植手術をしている
左右で違う、目の色を少しだけ気にしていた



(嗚呼、ニール、悲しまないで)



ニールには昔の記憶が無い

俺は本当はちゃんと、目覚めてからリボンズに真実を教えてもらっていた
ニールはイノベイターじゃないって
俺はニールの遺伝子配列をコピーして作られたイノベイターで
ニールにはまだ一人だけ、本当の弟が生きてるってことも

そして、ソレスタルビーイングの事も



(俺はアイツ等が大嫌いだ)



リボンズが気まぐれでニールを拾わなければ、ニールは死んでいた
そうなったのは、アイツ等のせいだ、俺はそう思ってる



(ライル・ディランデイも嫌いだ)



今はソレスタルビーイングでロックオン・ストラトスのコードネームを持つ
ニールの本当の片割れ
憎くて羨ましくて邪魔で邪魔で大嫌いだ



「ニール、大好きだよ」



「ん、ありがとな、エイル」



そっとそっと、彼を抱き寄せて
彼の右目にキスを落とした
くすぐったそうに笑うニールを見て、胸が暖かくなった気がした



(ねえ、ニール
ニールは俺の金色が好きだっと言ってくれたけど
俺はやっぱりニールの色が一番好きなんだ)


(だから)


(それを奪った奴らを、絶対に許さない)



歪んだ顔を見せたくなくて片割れを強く強く抱きしめた




貴方の色、俺の色
その違いが、ただ寂しくて、こんなに愛おしいのです


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不揃いな緑と、金色








エイルの名前はエイミーとライルから二文字ずつ
ニールとも似た響きで、と考えたらニール、ライル、エイミーから一文字ずつ貰った感じにもなりました
実は結構気に入ってます




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