忍術学園

□例えば動物が裁縫するとしたら
1ページ/4ページ


『・・・留三郎』

『・・・・・・ん?・・・何だ?』

『・・・いや。何でもない』

『・・・そ、か』













「三郎。あのやりとり何だと思う?」

「んー。
潮江先輩の甘酸っぱい片思い、とか」

「真剣に答えて」

「はいごめんなさい雷蔵ごめん雷蔵ごめんね怒んないで」





こんにちは。俺は竹谷です
現在俺は木の上で忍んでいます
理由は三郎のいたずら好きの延長線だとでも言っておきます


隣で双忍が痴話喧嘩始めたけどまぁ気にしないことにしよう
五年の付き合いだし雷蔵も本気で怒ってないことはすぐにわかる
三郎も本気じゃないことわかってるはずなんだけどなぁと不思議に思うのも三年で卒業した
そりゃぁ毎日のように見せつけられれば、さすがに鈍い俺でも三郎がただ構ってほしいだけなんだってことくらいわかるよ




三郎は雷蔵の尻に敷かれるタイプなんだっ!



『うん。
きっと夫婦ってそんなもんなんだなぁ』

「八、今ものすごい勘違いしてないかな?」

「え?夫婦じゃないの?」

「三郎と夫婦かぁ・・・
半月で離婚しそうだなぁ、いや一月かなぁ?
うーん、三月かなぁ・・・」

「雷蔵ひどいっ悩むところ其処なのかっ!?」


「おほー!!
また夫婦喧嘩始まったっ!」

「違う違う」


「夫婦喧嘩なぁ
いいか八。雷蔵は愛と鞭タイプなんだよ
だから私は今幸せなんだっ」

「んん?鞭?」

「変なこと八に吹き込まないで三郎。
一回黙らせてもいいかな?いいよね?」

「ごめんなさい雷蔵」







鞭とかよくわからないなぁ
双忍がまた仲良く愛と鞭??をし始めたから、俺は先輩達に視線を戻した






『食満先輩って何かオーラが違うよなぁ』



今は用具委員会の仕事をしていないようだ
おそらく潮江先輩の私物を直しているのだろう
そう考えると二人が気まずそうに対面していることに頷ける



潮江先輩と対峙している食満先輩は、ただそこに座っているだけなのに何かが違った




『何ていうか、こう、人を寄せ付けないような凛とした空気があるんだよな』







動物に例えるなら何だろう?
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ