Pkmn:R

□Prologue1:赤眼ノ悪魔
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薄暗い室内の窓に冷たい雨が降りしきり、網戸を通して流れていく。
雫が窓に張り付き下を伝っていく様子を虚ろな赤い目で見つめる7、8歳ぐらいの少女が居た。
少女のいる部屋は二段ベッドがあり2つの机がある。だがその片方を使ってる相方は今朝から姿が見えない。

部屋の外は灰色の雲と、2日前から降り続く雨で風景は一向に変わる気配はなかった。
同じ風景ばかりを見続けとうとう見飽きた少女は鶏冠のように跳ねた黒髪を揺らし、ため息をついた。
窓に映る顔は色白く、退屈で仕方ないというような不快な表情が映っている。


その時、窓の外で緑色が横切った。
ふと顔を上げると深緑色のおかっぱ頭をした少年が何かから必死に逃げている。その表情は遠目から見て、泣いているように見えた。
逃げてきた方向から少人数で少年を追いかけていた。ガタイのいい餓鬼大将の少年が先頭で走りかけていく。


少女はその様子を見て、何度目か分からないため息をついた。


「...あのクソ院長がいない時に、めんどくさい」


少女はそう吐き捨てると、扉に向かい部屋を去っていった。
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