泡沫人

□04
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「宗方誠治の息子だと……?」


「……ええ、ほぼ間違いなく」



 日本古風を思わせる屋敷の一室で真田と男が対話していた。
 真田の畏まった態度から見て分かるように、相手は上の人間のようだ。



「興味深いな」



「隠蔽はなされておりますが、宗方誠治には本家黙認の愛人がいます。その愛人との間に高校生になる息子がおり、家を出てからは伯父である葛西の元で生活をしていたと――」


「成程な。だから、無条件で引い入れたという訳か」


「いえ……それをヌキにしてもひどく肝のすわった男で――それに何よりも、似てるんですよ。あの眼が――」




 真田の思わせ振りな言葉が静かに響く。







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