光差す旅路の先
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「――もうちょいスピードでねぇの!?」
「これでも最速なんですけどね」
もの凄い速さで景色が移り変わっていく。
だが、森の中だということもある所為か、足場が悪く揺れが激しい。
「村人のウワサ通りその妖怪が茲燕だとしたなら、なおさら旬麗と合わせる訳にはいかんな」
「〜何考えてンだよ、旬麗は!?」
「俺が知るかよ」
気が気じゃないのか、悟空は落ち着いていられないらしく助手席へと身体を乗り出している。
「なァんも考えちゃねーだろよ。愛しい男のこと以外はな」
旬麗が向かったであろう先を見据えて一人煙草を吹かす。
こういう時でなければ、もう少し味わえるのだと思いながら。
「それより、銀鈴だよ! 一人で行くことねーのに!」
「じっとはしていられなかったのでしょう。銀鈴は優しい子ですから」
「ったく、世話が焼けることだな」
「大丈夫っしょ? 銀鈴は強えしよ」
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