光差す旅路の先

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「……蔵! 三蔵ッ…!!」


『お願い、目を開けて――!!』


「動かしちゃ駄目です、悟空!!」



 三蔵から流れる血が雨に溶けて地面に広がっていく。その染みはどんどん広がっていって止まることを知らない。



「ざまァ見やがれ…!! 妖怪ごときに加担しやがる奴は人間だろうと死んじまうがいい!!」



 六道が狂ったように笑いながら叫んでいるが、そんな言葉は俺には届かない。
 どくどくと溢れ出す血と、生気が感じられない三蔵の姿を見ていたら突然激しい眩暈を感じた。



「――あ…」


「――おい、悟空? どうした、悟空!?」


「悟空…!?」


「はぁ、はっ…」



 悟浄達の呼び掛けにすら応えられない。
 どうしようもない震えに、気持ち悪いほどの吐き気を感じる。ぐるぐるとする頭の中が次第に白くなっていく。





――…何だこれ…





「はぁっ、はぁ」


「悟空!!」


「しっかりしてください――!!」





――誰だコイツ





――誰―





「はぁっ――あ…ッ」



 薄れゆく意識の中で脳裏に浮かび上がる見知らぬ人物。
 けれどどこか懐かしさを感じた。とても大切な――






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