光差す旅路の先
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――目が覚めた時にはもうここに居た
――ずっとずっと長い時をここで過ごしてきた
朝と夜の訪れをいくつ数えただろうか。
――ジャラン…
枷を付けられた身体を引き摺りながら、重い腕を伸ばす。
『――あ……あぅ……』
力なく体を横たえれば、肌に触れる木の感触が気持ちいい。
ボロボロの木造の建物はちょっとの力で壊れてしまいそうだ。
だが、どんなに力を加えても扉が開くことはなかった。
――ここはどこなのだろう
――わたしはなぜここに居るのだろう
答えのない堂々巡りをいくつ繰り返しただろうか。
――ガタガタ、ガタガタ…
風が悪戯に扉を揺らすが開く気配すらしない。
障子越しに射し込む日の光が眩しい。
いくら手を伸ばしてみても届くことのない太陽の光。
――助けて
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