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□夢の話
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(おはよう、まだ寝てんの?
いいかげん起きんとご当主に怒られるよ?)



(大丈夫やって!
なぁ、ここで一緒に眠ろうや)


(えーやだ!バレたらあたしも怒られるじゃん!)


(まぁまぁ。そんな細かいことは気にすんなや。

ほれ、こっちあったかいで。)


(んーじゃあもー少しだけなら…)


(ふははは!!ほんまめぐは誘惑に弱いなー)


(わかってるなら…)


(わかってるから誘ったんよ。
ほれ、こっちもっとくっつき。)


(ん、しょーいちあったかいね。)


(せやなー。あったかいなぁ。)


(ずっとこうしてたいね)


(せやな。このまま、なぁ)









目が覚めた午前4時44分


何とも数字の悪い時間に目が覚めたもんや。




最近こん時の夢よぉ見るわ。


「なあ、めぐ

わしはどこで間違えたんやろか?」



郷を守るため、ご当主のため、姫さんのため、めぐのためがんばって闘ってきたんや。



なのに…


どこで間違えたん?




あの後すぐ、出陣せなあかんくなって、わしだけバタバタと屋敷をあとにした。




終わって屋敷に戻ってきたらめぐはおらんなってた。



すぐ帰って来るやろ。なんて考え、甘かったんやなぁ。




めぐを見つけたのは山奥で、

冷たく、青白くなった姿になっていた。








女の恨みっちゅーんは恐いわ。



元カノ…



いや、ただ一度だけ関係を結んだだけの女が嫉妬して




めぐを殺してん。








なんでやねん。


恨むならわしやろ。





なんでめぐが死ななあかんねん。





あの女がおらんかったらめぐは生きとった。



いや、わしがあの女と関係なんか結んどらんかったらめぐは生きとった。




なんや、わしがおらんかったらめぐは生きとったやん。



殺したん、わしみたいなもんやな。


わしは、

愛する女も守れんような男やったんやなあ。




そのあとわしは、あとを追った。




めぐの後を追ったところでまた会えるかもわからへんのに。


それでもめぐのおらんなった世界を生きとるほうが辛かってん。








でもな、こうやって生まれ変わった今でもあの頃の記憶は鮮明に残っとる。


やっぱ自殺なんてしてもええことないな。

また、生き地獄やん。








それでも、


今度は生きてく。





わしが記憶をもって生まれ変わったっちゅーことは、

もしかしたらめぐも同じように生まれ変わっとるかもしれへん。







運命なんて、信じるガラちゃうけどな、信じたいねん。



まためぐに会える運命を。




「会いに行くからな、めぐ。」
 

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