novel
□愛してる。嘘。
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「なぁヒロトー」
「んー?」
「愛してる」
「〜っ!?!?!?」
危ない危ない。あやうく飲んでいたジュースを吹いてしまうとこだった…
それは昼休みの話、
それは屋上で、
それはいつもどうり2人で昼飯を食べていた頃だった。
「なっ…な、ななななんだよ急に!!!熱でもあるのか!?!?」
「嘘だよ。」
………は?
「えっと…」
「嘘だよ〜言ってみたらどうなるのか試してみたかっただけ…」
…なんだ…
こんな事を言うのはなんだが、俺はリアルにリュウジが好きだ。
だから今のは凄い嬉しい、そしてショックだった。
「ビックリした??」
「あ、あぁ、ビックリしたよ」
そりゃ好きな人にそんな事言われたら嘘でも緊張しちゃうよ!
リュウジが俺を見てる…
ダメだ、顔を赤くしてる俺を不振に思ったのだろう。
…
…
………
かなりの時間沈黙が流れる。
リュウジもちょっと何かいいたげに下を向く。
この状況下だ、そりゃ気まずいだろう。
ふと思った。
……ここで告白したらどうなっちゃうんだろうか……
今の関係はとても気に入ってるし、楽しい。これからもこの関係を続けていきたい。
でも、どうせならそれよりも上をめざしたい。
この状況でいっちゃうのもどうかとは思ったが、その気にさせたのはリュウジが悪い。
よし言おう!!!!
モヤモヤするなら言ってしまった方が!!!!!
「なあリュ…「ヒロト…」
言葉が重なった。
お互いためらった…がリュウジが口を開いた。
「もし、その嘘が本当だったら…どう?」
顔を真っ赤にしながら聞いてくる。
…え…!?
驚いた。
嘘だろ…?
嘘…だよね??
「ははは、やだなぁ、それもまた嘘って言うんだろ?」
ポーカーフェイスを頑張って決める自分。
理由は無いけどちょっと情けないや…
「や、えと…その…さっき嘘って言ったんだけどさ…
俺、ほんとにヒロトのこと、愛してる。」
……!!!
「っごめんな!!男同士なのにこんな事言って!!迷惑だろ?忘れてくれ!!」
「嬉しいよ。」
「え…」
「凄い嬉しい。嘘って言われたときはショックだったけど、今すごく幸せだよ。
俺も愛してる。」
「ヒロト…!」
これが俺たちの始まり。