文章

□天邪鬼
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良い事を教えてあげましょう。
私が退職し貴方が昇進するお祝いに、ね。
私は昔、ユーリと呼ばれておりました。
その時の私は仕事もできず、話もどもりながらするような体でした。
ですが愛嬌だけはございましたかね。
勤め先は病院で簡単な事務仕事をしておりました。
これが仕事の一つ目でございます。
もう一つは薬の横流し。
検診データ、個人情報の売買。
検査用の血液検体などの転売。
さまざまです。
幸い、私は仕事ができないという認識が職員全員にごさいましたので、簡単な事務仕事を済ませてしまえば私は自由に時間を使う事が出来ました。
実に働きやすくお金になるいい職場でした。
ある程度稼いだのと、飽きてしまったのもございまして鬱病になったふりをして悠々と退職致しましたが。
つぎはジャックと名乗りましたかね。
いや、沢山あり過ぎてはっきりとはしないのです。
確かあの時は軍隊におりましたね。
デスクワークでなまっていた身体をならす為にも良いかと思いましてね。
いい考えでしょう?
資金は前の仕事で潤沢にありましたので他の隊員へも軍備を用意して差し上げました。
すると簡単に私は周りの信頼を得て階級が上がって行きました。
なんて簡単なんでしょうね。
私の名前すら知らないくせに私の指示に命を預けているんですよ。
ふふふ。
面白いですよね。
私はやっぱり隊員達の身体データや軍隊の編成。
暗号鍵や隊長達の会合場所。
色々な情報を売りました。
最終的には私は戦死した事になっております。
実際はこうしてピンピンしているわけですが。
まあ、それからも色々な所を転々としながら今はここにいます。
本日付で退職する訳ですが、こちらでも稼がせて頂きました。
いやはやトレインとはモノを運ぶのに最適ですね。
屋根の上、座席の中、車輪の間。
駅を目印にすればレールでも物資の受け渡しが可能です。
いらないモノも引いてしまえば分からなくなりますし、見回りをするのは私、サブウェイマスターの仕事ですから引いたモノの回収も可能。
なんとも働きやすい職場でした。
次はどこで働くかは決めておりませんが、今のところここ以上に楽だった場所はございませんね。
実は、次の為にも貴方にお願いがあるのですよ。
次期サブウェイマスター。
私とお友達になっていただきたいのです。
なに、無償でとは言っておりません。
先程話したように余るほど金品はあるのです。
私には私たちを助けてくれるお友達が必要なのです。
私はこんな生き方をしていますが完璧ではありません。
馬鹿を演じていれば、有用な仲間が必要になります。
逆にトップに立って動いていれば影で動いてくれる存在が必要なのです。
是非あなたも私とお友達になって頂きたいと思いましてね。
心配入りません。
もう一人の次期サブウェイマスターは快諾して下さいましたよ。
ふふふ。
ありがとうございます。
貴方のおかげで私は明日も仕事ができるというものです。
なにかご入用の時はどうぞご連絡下さい。
すぐに何とかしますので、それがお友達というものでしょう?
ああ、貴方にアドバイスを差し上げましょう。
人は皆闇の部分に憧れを持つものだという事。
自分そっくりな人物がいれば色々進めやすいという事。
自分は役者であり、自分で決めた終演まで役は演じ続けなければならない事。
大抵の方はお金が大好きだという事。
貴方も好きでしょう?
ふふふ。
サブウェイマスター頑張って下さいね。
あ、それと私のことはこれからもノボリとお呼び下さい。
そうでないと演目を忘れてしまいますので。
では失礼致します。
サブウェイマスターのお勤め頑張って下さいね。

「あれ、バルトじゃねぇか!」
「おや、お久しぶり」
「なんだバトルサブウェイに挑戦か?やめとけやめとけ、お前ポケモンバトルよえーじゃねぇか」
「酷いですねぇ。私だって頑張ればそれなりに」
「はいはい。あーそれよりもよ、今もまだ続けてるのか?風俗の仕事。だったらおれにも一枚噛ませてくんねーかな。金欠でよ」
「ちょうど無職になったとこでね。それもいいかも」
「じゃあ決まりな。また宜しく頼むぜバルト」
「ええ、宜しく。ところで、名前を伺ってもいいかな?」
「おまっ、大切な友達の名前忘れてんじゃねーよ。そつちから口説いて来たくせに」
「悪いね。大切な人が多すぎて。今日も三人増えた所」
「そうかいそうかい。あーもう捕まっちまえ」
「ふふふ。それもありかも。今まで囚人にはなったことないしね」

ほんとにそれもいいかもなんて考えてること、名前も思い出せない友達も、次期サブウェイマスターもそこいら中に居る友達もしらないんでしょう。

あーあ。
はやく箱にいる弟に会いたいです。


END

犯罪者兄弟です。
誰得。
しかもモブとノボリさんが話してるだけっていう(笑)

クダリは箱の中でサツの動向探ってノボリに逐一伝えてるよ!
兄弟は金への執着は全くないよ。
だからバンバン変なことに使ってるみたいな、そんな話誰かくれさい。




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