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□君に出逢ってしまった
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「また、振られた」
「どうしたんです?クダリ」
テレビを睨みつけるように見ながらクダリは呟きました。
仇でも見るような視線の先には、今時人気な萌え絵と呼ばれるかわいい女の子が怒った顔で立っていました。
画面の真ん中には大きくゲームオーバーとも。
「なんでかなー。ノボリなら絶対喜んでくれるのに」
クダリはむーっと唸ると持っていたコントローラーを投げるようにして置いて電源を切りました。
そのあと急に私に抱きついてくるとぐりぐりと顔を押し付けてきました。
頭をぽんぽんと軽く叩くと顔を上げてムッとした顔から破顔するように笑顔を浮かべました。
「まあ、いいや!運命の人とは生まれた時にであってるもんね」
「ふふふ。私も貴方が運命の人だと思ってますよ」
ぎゅっと抱き締め返せば勢いを付けたクダリにソファに押し倒されて少し焦ってしまいます。
でも危惧するようなことは何もなくて、抱き締めあって笑いあえる現状がとても嬉しいと思いました。
ゲームの攻略対象なんかにクダリは渡しません!

お題:ひよこ屋様より




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