シャララばにらしぇいく

□にやける顔
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「黒子っちーあーそぼ!」
「嫌です」

断られるのは何回目だろうか。
もうそれすらも覚えていない。

女の子なら言葉一つでいいよ、というのに。

黒子っちは全然オちてくれやしない。

「いーじゃんあそぼーよー!今日は部活も無いし暇でしょう?だから、ね?遊ぼ??」
「黄瀬くん」
「遊ぼ!」
「…すみません、今日は用事があるので」
「え、そーなんすかー!ちぇ、黒子っちと遊びたかったなー」

黒子っちはそういうけど本当は用事も無いのを俺は知ってる。
黒子っちの事好きすぎて日常生活のあれやこれ、色んな事を俺は知ってる。
だから嘘をついてるとすぐ分かる。

幾度となく誘うけど黒子っちは俺なんか眼中にないし、…あーもう早く俺にオちないかなー!

断られるたび結構落ち込むんスよね!

なんて、頭のなかでぐちゃぐちゃ考えてたら

「…黄瀬くん」
「ん、どうしたの?」
「………こんど…」

とてもとても小さい声

「…また今度って言わないんですか…」

驚きだった。

黒子っちがこんなこと言うなんて。
また今度とは、いつも言うまた今度遊ぼというきまり文句。
断られるたびその言葉を言ってきた。

俺はごちゃごちゃ考えていてその言葉を言うのを忘れていた。
いつものように無表情な顔がどこか寂し気にみえた。

「え、ああ、また今度…」

言えば今度は嬉しそうに見えた。

どうしようこんな黒子っち初めてだ!
俺のせいで少しでも表情が変わるなんて!

「黄瀬くん、それでは明日」
「うん、また明日ね!黒子っち」

教室から黒子っちが出て行く。

教室にはもう

「黒子っち…大好きだよ…」

にやけた顔を手で覆っている俺しかいなかった。


まだまだチャンスはあるんスね?
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