書庫1

□脆いもの――・・・
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【脆いものーー・・・】




『ーーーーお願い!!!!目を開けて。』




「姉さん・・・」


横たわるのは、自分たちを匿い傍においてくれた人。


私を愛してくれた人。




頭領であるというのに、私のこととなると会合そっちのけで現れた彼。



息をせず、永久の眠りについてしまった。


『怜依、時を戻して!!』

狂おしい程愛した【人】。



「ーーーーー!!!!馬鹿なこと言わないでよ!!!姉さんまで消えてしまうッ」



でも・・・



『あの人がいないなら、生きていたって意味がないじゃない!!!』





どこまでも残酷な私の運命。




一人の男さえ、愛してあげられない。




ギュッ・・・




『れ・・・い???』



「ーーー僕を一人にしないで。傍にいるから、いつまでも貴女を愛し続けるから・・・」



ーーー生きて


腕に力を込めて、必死にすがりつく。
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