其ノ弐
□紅き月が漆黒の闇に浮かぶ
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今宵の月は、血濡れの紅色―――・・・
目の前に映るのは、銀色の髪が無造作に空を舞い、あの月のような紅い瞳を持つ君。
僕の愛しい人に存在する、もう一人の君。
彼女はとても綺麗な笑顔をして僕を見ていた。
これは、まだ僕らが京の西本願寺にいた頃
そうだね、初めてもう一人の彼女と逢ったあとの話――・・・。
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