其ノ壱
□14
1ページ/7ページ
静寂な闇の中で足音がよく響く。
「―――伝令です。交代の刻限は・・・・」
現在・・・新選組は二条城の警護に来ている。
私は千鶴ちゃんの護衛役なので、彼女の伝令に付いて回っている。(←走ってる?)
「今頃、近藤さんたちは偉い方々にご挨拶しているんでしょうか?」
2人で一旦休憩をとっていると、千鶴ちゃんが小声で聞いてきた。
『そうだね。挨拶するのも大変なんだよ。礼儀正しくしないといけないからね。』
私も昔は、よく女王陛下に謁見していたっけ・・・
「・・・・私も、お勤め頑張らなきゃ!!」
小さく、気合をいれる彼女を見て顔が綻んだ。
『あまり、無理しちゃダメだよ?』
そっと、彼女の頭に手を置いて優しく撫でた。
――――――――――――――
『―――――!!!千鶴ちゃん、そのまま!!!!』
私はとっさに彼女の前に出て、双剣を構えた。
「―――!?黎音ちゃん?どうしたんですk・・・・・・!!!!!」
千鶴ちゃんも気がついたようだ。
さっきから、似た気配がしたと思った。
「・・・・あなた達は・・・」
千鶴ちゃんが、私の背後から恐る恐る屋根に立っている3人に声をかけた。
「ほぉ、然程鈍いというわけではないようだな。」
月光に照らされて金髪の男が話しだした。