[Aoex【BL】]
□・僕が守るから。
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夢を見た。
俺が、雪男を殺す夢。
あるわけがない、と自分に言い聞かせながらも例外ではない__未来。
自分は悪魔で、我を忘れてしまうこともあるのだから__。
「兄さん」
今日もまた、俺を呼ぶ甘い雪男の声。
「ゆき、お…」
「どうしたの?随分早いお目覚めだね。」
「夢を…見たんだ。悪い夢。」
「夢?」
「ああ。俺が…お前を殺す、夢」
俺は今日見た悪夢を話す。
雪男は少し黙ってから、
「……じゃあその悪夢は、正夢にはならないね。」
「なん…で?」
「兄さんは、優しいから」
「俺が…?」
「うん。兄さんが僕に火傷でもさせたことがある?しえみさんや勝呂くん達には?」
「…。」
「ないでしょ?兄さんは…やっぱり優しいんだから。」
雪男はそう呟くと、俺の唇に自分の唇を重ねた。
___愛しい愛しい、俺の片割れで恋人。
『いつもありがとう』__だな。