「俺の子を孕むか、俺の血肉となるか、選べよ」
□悪魔の囁き〔1〕
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これは悪い夢なんだ。
頬をつねったら痛かったけど、これは夢なの。
そう、夢のはず……。
目をそろっと開けてみる。
目に飛び込んできたのは、黄色い瞳。
「起きろや、こら」
「…………きゃあああああああああ!!」
「うるせーよ!!」
夢じゃありませんでした。
「ん…んくっ……ぅ」
「………飲めよ、全部」
「う、いやっ」
「俺が出したの、飲めねえのか?」
「まずい…よぉ…」
「ほら、口からこぼすな。
俺様が作ったすばらしい飲料タイプの回復薬を、おら、飲め!!」
「う、ぐぐぐぐ」
持っていたマグカップを、無理矢理傾けられて、味、見た目、匂い、音(か細い女性の声が一瞬聞こえた)、全てが0点の液体が、口へ。
そして、喉へ。
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