「俺の子を孕むか、俺の血肉となるか、選べよ」
□悪魔の囁き〔4〕
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目に涙が溜まっても、映し出されるその光景に、心が壊れそうになった。
「…アイコ」
私はいつの間にか気を失っていたらしい。
リイルさんの声に、底に沈んでいた精神が浮き上がる。
何も見たくない、とキツく閉じていた瞼の力を緩ませた。
場所は私が使わせてもらっている部屋のベッドの上。
リイルさんはベッドの横で膝をつき、私の顔を覗きこんでいた。
彼からは情事の後のような雰囲気は感じられず、少しだけホッする。
そして、涙がこぼれた。
「うっ…リイルさんのバカっ…ふ、うぇ…」
「悪い悪い、少しいじめすぎたな」
彼の大きな手が私の頭を優しく撫でてくる。
少しだけ心が落ち着いて、こぼれ始めた涙が止まった。
「アイコには、早すぎたかな」
「超、超超ちょーう早すぎましたっ…リイルさん本当にひどい…バカバカバカ!!」
言いたいことを言いまくって、私は逃げるように頭から布団を被った。
だけど、視界が暗くなると同時にリイルさんと女性の映像が頭に流れこんできて。
私は慌てて布団から出た。