「俺の子を孕むか、俺の血肉となるか、選べよ」

□悪魔の囁き〔5〕
1ページ/16ページ

本当に今さらだけど。


リイルさんの羽って、どう生えているんだろう。







パタパタ(いや、バタバタ?)と動いている肉質な羽。



というか!


お姫様抱っこ!!
でも……。



「駅までもうすぐだな」



女性にお姫様抱っこされてるって…。










「なんだよ」


「あ…、いえ」



無事に無人駅に着き、私たちは列車を待っている。


今は動いていない肉質な羽を後ろから見ていた。



服を突き抜けているようにも見えるし、肌から少し浮いているようにも見える。


やっぱり、引っ張ったら痛いのかしら。


そ〜っとそれに手を伸ばすと、威嚇するかのように羽がバサッと動いた。



「気安く触るなよ」


「…すみません」



自分はいつだって、私に勝手に触ってくるくせに。


唇を尖らせながら、心の中でブーブー言っていると、汽車のシュッシュッという音が聞こえてきた。



「わぁ…!」



日本のSLとはまた少し違った雰囲気の汽車。


魔法映画にでも出てきそうなその容姿に、少し興奮する。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ