「俺の子を孕むか、俺の血肉となるか、選べよ」
□悪魔の囁き〔8〕
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いよいよ…
いよいよ前日が来てしまった…っ。
またあの列車に乗り、私とリイルさんは城下の街へ来ていた。
(ちなみにこの街の名前は先ほど教えてもらおうとしたのだが、とても長すぎるため、愛称の“ニルナ”を教えてもらった)
今日は小さなホテルに泊まっている。
私はシングルベッドの上で座っているのだが…。
シャワーを浴びて、浴室から出てきたリイルさんが、私を見てブフッと吹き出した。
「おまっ…どんだけ緊張してんだよ…フフっ、震えてんじゃねーよ」
「だ、だって!リイルさんは、緊張しないんですか?」
ベッドの上で貧乏揺すりの様な震えを繰り返す私。
さっき私もシャワーを浴びたのだが、とても眠れそうにない。
体の中の緊張を吐き出すようにため息をついた。
「ため息つくな」
ボスッ!と、ツインの片方のベッドに座り、私と向き合うリイルさん。
「お前、頑張ってきてたじゃねーか。自分を信じろ」
「う…」
「失敗したらどうしよう、とか絶対に思うな」
「は、はい…って!」
今まで俯いていた私。
頭を上げた瞬間、目に入った光景に絶句。
「ぬぁあああ!?」
裸!!!
思わず手元にあった枕を投げてしまった。
ハッ!
また怒らせてしまう…。
「ご、ごめんなさい!」