「俺の子を孕むか、俺の血肉となるか、選べよ」
□悪魔の囁き〔9〕
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試験の結果を悶々と待っている間、もうひとつ私を困らせるものがあった。
私は今日もそれを部屋でこっそりと開く。
開いたその小さい紙には、
『枯ノ無葉』と書かれている。
他にも魔界の小さい文字で、色々書かれてあって。
『枯ノ無葉』
最初、全く読めなかったけど、コ・ノ…とまで読んで、初めてコノハさんの漢字の名前だって気付いた。
『無』を読まないって、すごい当て字だなあ…。
枯れることの無い葉…なんだか長生きしそう。
本当はそういう意味ではないと思うけど、なんだか愛のある名で、フフッと笑ってしまった。
その名前はさておき、その下に書いてある文章が、とても不思議なものだった。
『フルネームをあまり言わない方が良い。かといって、忘れてはダメ。なにか紙にフルネームを書いて、どこかに隠しておくと良い。』
小さな文字で走り書きだった。
なんでフルネームがダメなんだろうか?
そう思いながら、文はまだ続いており、それを読む度に顔が熱くなる。
『またアイコに会いたい。もっと話をしたい。
コノハ』
きゃ――っ!!!