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□屋上の美ショウネン…2nd season
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2nd season
私には、嫌いな女がいる。
柳田美佐―――
それは私、古賀舞[コガ マイ]が中学2年生の春の出来事だった。
「ねえ、舞。聞いた?今日の練習試合の学校、部員が5人なんだって!」
「え?なにそれ?3年が引退したら廃部じゃん」
「ったく、なんでそんな学校と…」
私は長い髪を纏めながら、仲間と愚痴を言い合う。
今日は私が所属しているバスケットボール部が、他校と練習試合を行うのだが。
その学校はバスケに関しては全くの無名で、正直、なんで顧問がそんなところと練習試合をしようと思ったのかが、全く分からなかった。
私を含め、部員達はみんな戦意喪失。
どんなに格下でも手は抜かないけどさ…、やっぱりモチベーションは低くなるよ。
そんな感じで部室から体育館に出ると、男子バスケ部の部員が準備を終えた所だった。
「あ、舞ほらっ。加藤先輩いるよっ」
友達に肘でぐいぐいとつつかれ、冷やかされる。
私は先輩に気付かれないように、友達を咎める。
「もうっ、そうやって露骨にするの止めてよっ!」
「アハハハハ!ほらっ、先輩こっち来るよ。加藤先輩おはようございます!」
「おはよう木村ちゃん。あ、舞もおはよう」
「おはようございます。加藤先輩」
ニコッと笑う加藤先輩は、今日も美しい。
私は熱くなる顔を見られぬように少し俯きながら、先輩と話す。
「今日、格下相手なんだって?ダルいねー」
「そ、そうなんですよ。顧問もなに考えているんですかね」
「あはは。でも頑張ってね、舞」
頭にトンッ…と軽く先輩の手が乗った。
キュン死にさせる気ですか先輩。
…やっぱり、好き…。