「俺の子を孕むか、俺の血肉となるか、選べよ」
□プロローグ
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「ねえねえ、藍子。最近話題のニュース!」
「ああ…女の子が襲われてるやつ」
私は読んでいる文庫本に四つ葉のクローバーしおりを挟んだ。
数少ない友人、峯崎茜[ミネサキアカネ]は、携帯電話片手に笑顔で私に話しかけてくる。
「なんかねー。加害者は男らしいんだけど、すっごいイケメンらしいのっ」
「…まさか、襲われたいなんて言わないよね?」
「えっ!?藍子は襲われたくないの?」
不思議そうな表情をして、眼鏡を直す茜に、私は他の人には言うなよと言った。
「じゃあ、月島頼むな」
「…え?」
放課後の教務室。
日誌を届けにきた私に渡されたのは、大量のプリント。