「俺の子を孕むか、俺の血肉となるか、選べよ」
□悪魔の囁き〔7〕
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落ち着け私の心臓よ!
平常心をなんとか保ちながら、私が使っているベッドに座っているリイルさんと向き合う。
長い足をめんどくさそうに組んで、私の回答を眺めている彼。
ゴツいブーツが目に入る。
ちょっと憧れるかも。
紐を通す穴がたくさんあるブーツって。
リイルさんをジィッと見ていると、彼は急に目線を私に向けて。
「…惚れたか?」
首をコテンと傾けて、訊いてきた。
「そそ、そんなワケないです」
「熱視線、感じたんだけど」
「う…。だって、格好いいから…」
服装とかブーツとか。
正直に伝えると、リイルさんは目を丸くさせていた。
え?
「…アイコ、お前いつからそんな…」
「??」
「無自覚ってやつかよ…」
リイルさんは眉間に指先を押さえながら、ため息を吐いた。
なんか私、悪いことでもしたかな…。
リイルさんの手にあるムチをチラチラ気にしてびくびく。
アレで叩かれることが、あるんだろうか…。
そして突然、ピシィッ!と床にムチが。
「なーに、びくびくしてるんだよ」
そのムチにしてるんです!