「俺の子を孕むか、俺の血肉となるか、選べよ」
□悪魔の囁き〔9〕
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恋文みたいな言葉に、胸キュンしてしまう。
もちろん向こうにその気はないのだと思うけど。
それでも嬉しくてニマニマしていると、突然ノックが鳴って慌てて紙をベッドの枕の下に隠した。
「アイコ、入るぞ…って、なんか隠したなお前」
「べ、別に」
「嘘つくの下手すぎ」
そう言ってリイルさんは、ズカズカと私の方へ寄ってきて、フンと鼻を鳴らした。
…ハッ!
私、もろ枕を手で押さえてる!
バカバカ私っ。
後悔をしている暇もなく、リイルさんは枕をひったくり、そして紙まで持っていった。
こ、殺されちゃうっ…。
リイルさんは、なんだこれと言いながら、折り畳んである紙を開いて…。
一瞬にしてその紙がボッ!と火に包まれて消えてしまった。
「あ……」
「お前、やっぱりメガネに口説かれてたんじゃねーかよ」
ベッドの上にリイルさんがギシ…と音を立てて乗ってきた。
私は無意識に後退りをしたけど、彼はそれをさせるかとばかりに私へと詰め寄る。
「メガネに惚れたのかよ」
「ヒッ…」
ガシッとものすごい力で、正面から頭を捕まれる。