Lunatic
□第八話
1ページ/6ページ
この村には、古い言い伝えがありました。
『闇夜を照らす月のような子が現れたら、その子は月の女神になる』と。
村人はみな、月の女神がこの村に現れると思っていました
しかし、その子はその村に生まれました
綺麗な金色の髪をした、可愛い女の子です
その子はとても普通でした
普通に友達を作ったり、笑ったり、泣いたり怒ったり。
ときには恋をして、傷ついたり。
『村から生まれたのだから、女神様ではないだろう』
そう村人は判断していました
ある日。
黒いマントの男が村にやってきました
「金色の髪をした少女は居るか」
そう村人に尋ねました
尋ねられた村人は正直に答えました
黒いマントの男は少女の家へ行き
少女の魂を奪ってしまいました
「この少女は女神の『器』だ」
そう言って少女を連れ去ってしまいました