Lunatic
□えくすとら
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ルナは鏡を見て気付く。
「あ?…オイラセレーネになってんのか?」
「何言ってるの〜。いつも通りだよ〜?」
「…似てるのか?それとも同じなのか…?」
は言う。
「ルナの身体、セレーネの精神を掛け合わせることで絶対なる存在、月の女神になるのだ」
「はぁ!?そうするとルナの心はどうなるんだ!ただ消えるだけなのか!?そんなのあんまりじゃねぇかっ!」
「そこの精霊長に頼んで精霊にして貰えばいいだろう」
アストの言葉は直ぐに跳ね返す。
サラが に反論する。
「セレナの身体の宿主はルナしか有り得ませんわ!」
レインが言葉を加える。
「死んだセレナの身体にルナの精神が入ったのは知ってる。ルナとセレーネが合わされば月の女神になるのも知ってる。でも人格を消すのは間違ってる。世界は違えどセレナとルナは同一人物なんだよ。ルナの心がないとセレーネが消えるよ」
アストが更に付け加える。
「確かにお前の言ってるとおりにすれば、ルナの身体には絶大なる力が宿るだろうな。でもな、それを実行すると大変なことになるんだぞ?前や今の身体には魔力の抑止力があったけどな、ルナの身体にはそれがないんだ。でもルナの精神は魔力を制御できるから大事には至ってないんだ。ここまで言えばわかるだろ?世界にとっても危険だ!」
は納得がいかない。
絶望した声が出た。
「では、どうしろと?セレーネはずっと監禁状態で居ろと言うのか」
「精霊は人間になれる。適合する身体を見つければいいんだよ、 」
まるで子供をあやすようにレインは優しい目をしていた。
は駄々をこねるように首を振る。
「それでは駄目なのだ。私は…」
「 、セレーネを愛しているのは分かりますわ。でもあなたの思ったような結果、過去は戻ってこないのですわよ」
諭されるようにサラに言われる。
すると、セレーネはいつの間にか外に出てきていた。
「 。私の唄を授けます。あまり良い方法とは言えませんが…」
メロディが頭に流れ込んでくる。
「私の唄は沢山あります。今教えた唄のタイトルは『ルナ』です」
「え?オイラ?」
「私の唄を総合してセレナーデと呼びます。……またの名を、小夜曲」
「…小夜?」